マンション経営は会社設立で節税できる
節税前後でなんと70万円以上の差に!
では、あらためて節税法をご紹介していきましょう。
ここ数年でマンション経営をされる方が増えました。
このマンション経営による所得は「不動産所得」となります。
これには所得税がかかります。所得税は超過累進税率が採用されているので、所得が一定額以上になった場合は、その超過額に対してより高い全率になります。
つまり、所得が増えるにつれ、税金も増えるしくみになっています。
そのためマンション経営が順調にいき、支払利息が減ってきたり、減価償却が少なくなってきたりすると、毎年の利益額が多くなり、その分支払う税金も多くなります。
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そこで活用していきたいのが、不動産管理会社の設立です。
不動産管理会社とは、マンションの家賃管理やメンテナンスの管理業務などを目的とする法人で、マンションのオーナーやその親族が代表者を務めます。
つまり、マンションのオーナーが不動産管理会社を設立して契約を交わし、管理料金を支払うことで所得を圧縮し、節税するという考え方です。
業務内容にもよりますが、管理料金は家賃収入の5~15%程度が一般的です。
たとえば、家賃収入2000万円のオーナーがいて、利益が800万円、税金が188万円だった場合で考えてみましょう。
不動産管理会社と契約を交わし、家賃収入の15%、つまり300万円を支払った場合、オーナーの不動産所得は800万円-300万円=500万円となります。税金は96万3500円にへりました。
不動産管理会社は管理業務を任せているオーナーの配偶者に給与として年間200万円を支払い、そのほかの経費として100万円あった場合、法人としての利益はなく、法人の税金は均等割の7万円のみとなります。
この場合、オーナーの配偶者は給与に対する税金(所得税+住民税)で13万円ほどを支払います。
ここで法人設立前後を比較してみると、設立前の税金は188万円に対して、設立後は96万3500円+7万円+13万円=116万3500円となります。
差額は71万6500円で、62%も下がったのです。
法人を利用した節税方法はこのほかにもあります。
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①マンションそのものを法人に借り上げてもらい、法人が入居者に再賃貸する方法
「借り上げ方式」(サブリース)と呼ばれるものです。
メリットとして、マンションが空室の場合でも、オーナーには毎月一定額の入金が見込めるほか、入居時には礼金などを法人の収入にできます。
②マンションそのものを法人が建築する方法
法人に収入を多く残せるメリットがありますが、オーナーと法人との間で土地の貸し借りが発生するなで、契約が複雑になります。
更地のままより、不動産を建てるべし
借地権や借家権がつくだけで節税が可能に
不動産は保有しているだけで固定資産税がかかります。
田舎の両親が他界して、突然、実家近くの遠方の土地や建物を相続したという場合、毎年、固定資産税を支払わなければなりません。
しかもそれが更地だった場合、何の使い道もないのに、固定資産税だけを支払い続けるというケースもあります。
そんなときに有効な手段が、賃貸住宅を建てることです。
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賃貸契約を結んで人に建物を課している場合、課している人はその土地の利用が制限されます。そのため、相続税法上の評価額を計算するときに一定の減額がなされるのです。
賃貸・アパートの評価額=自用家屋としての評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
たとえば、固定資産税評価額2000万円の建物の評価額は、
2000万円×(110.3×4/5)=1520万円
(※貸家5部屋のうち、4部屋入居で、各部屋の床面積は同一とする)
となります。相続税法上の評価額は1520万円となり、建物の評価が480万円下がります。評価減は土地も同じです。貸家・アパートの土地は借りている人にも権利があるので、やはり課している人は制約を受けることになるため、一定の減額がなされます。
このような土地のことを「貸家建付地」といいます。
賃貸・アパートの土地の評価額=自用地としての評価額×(1-借地割合×借家権割合×賃貸割合)
たとえば、2億円の評価額の土地で、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合4/5の場合、土地の評価額は
2億円×(110.6×0.3×4/5)=1億7120万円
となり、土地の評価額が2880万円下がります。
借家権割合は全国一律30%ですが、借地権割合は土地によって変わります。
なお、同じ敷地内に駐車場をつくった場合はどうなるでしょうか。
基本的にアパートの敷地は貸家建付地として評価され、駐車場は別の土地として評価されます。これは土地の評価が原則その土地の利用単位ごとになされるからです。
ただし、例外があります。「その駐車場の利用者がすべてアパートの賃借人である場合」は敷地全体が貸家建付地として評価されます。
その駐車場が「入居者専用」か「外部の方も利用しているか」で評価が違ってきますので、専門家に確認しましょう。